トライポッドは自作できる!木とロープでのDIY実践&応用術

投稿日:2021年10月31日 | 最終更新日:2023年1月17日

本記事は一部にプロモーションを含みます

トライポッド、それは直訳で「三脚」を意味し、トリポッドと呼ばれる事もあります。
キャンプにおいては焚き火に被せるように据え付け、ダッチオーブンや、ケトルを吊るして焚き火調理をするために用いられます。
今回はそんなトライポッドを自分で作ってみました!

トライポッドを使うメリット

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焚き火調理はガス器具を使う調理と違い「火力調整が難しい」というのが大きなハードルになっています。
しかし、五徳に乗せて調理するときには出来ない「上下運動による物理的な焚き火との距離調節」が出来るので、トライポッドを使用すると火力調整が非常に簡単になります。強火が欲しい時は火と調理器具との距離を狭め、弱火もしくは保温をしたいときは火と調理器具との距離を離すといった要領です。
(火力調整ができるという特徴を生かして、トライポッドと鉄板をくっつけたようなギアも販売されています。)

または、地面が真っ平とは限らないキャンプ場では、大きな調理器具を五徳に載せるとバランスを崩してしまったりする場合があります。
ただ、トライポッドなら三脚の開き具合、脚の地面への差し込み具合で水平に出来るので、抜群の安定感があります。

この写真は広義でのトライポッド(三脚)であり、キャンプ用の物ではありませんが、三脚を使うとこのように精度を求められる測量機を写真のような急斜面に水平に据え付けることが出来ます。この安定感で大型調理器具を、平ではない地面でも安定して支えてくれるので、安心して調理をすることが出来ます。

最後になんと言っても雰囲気です。焚き火の上にトライポッドがあるだけで、調理していなくても本格キャンパーの雰囲気を醸し出してくれる、大切な『魅せる』アイテムです。

トライポッドの選び方(市販品)のポイント

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市販のトライポッドを選ぶ際に大事な3つのポイントを紹介します。それは「サイズ」「耐荷重」「材質」です。

(売り場に行くと、更に安定感のある4本足の「クアトロポッド」という物もありますが、起伏への対応はトライポッドの方が上です。もしクアトロポッドを使ってみたい場合は高規格キャンプ場などでの使用をお勧めします。)

サイズ

今お持ちの、もしくはセットで考えている焚き火台と、トライポッドの高さは合っているかを確かめてから買いましょう。
焚き火台の高さとトライポッドの高さがマッチしていないと、魅力である火力調節が難しくなってしまいます。

耐荷重

調理に使いたい器具の中で一番重い物に水を満載にした重量より、更に少し余裕のある物を選びましょう。ここを無視すると調理中に大切な食材をぶちまけてしまう可能性が有ります。

材質

初めてトライポッドにチャレンジされる方は、軽くて持ち運び易く設営も簡単な、アルミ製を選ぶと良いと思います。価格もリーズナブルなので、色々試してみたい方にもお勧めです。
味が出てくるまで末永く使いたいという方は、重く頑丈で、安定感に優れたスチール製をお勧めします。長く使うためには耐久性の優れたスチール製なのですが、本体重量が重いので設営に慣れていない初心者の方は、設営に慣れるまで上級者の方と一緒に使うのがおすすめです。

トライポッドを自作するメリット

出典:PIXTA

「売ってるならわざわざ作らなくてもいいのでは?」とお思いかもしれませんが、自作するからこそのメリットもあります。

自作をすることにより経費を抑えることができる

端的に言えば、強い棒が3本と強い紐か、チェーンが主材料なので、ご自宅にある物で作れるかもしれません。

愛着が湧く

市販品だと、痒い所に手が届かないような仕様だと、金額との折り合いで何かと不満が出るものですが、DIYした物だと責任は自己責任。『自分で作ったものだから多少は仕方ない』と思えるものです。
逆に良いものが出来たとき、それはこの世界中に一点しかない、あなただけのオリジナルアイテムです。きっと愛着が湧くでしょう。

ロープワークを覚えることができる

今回ご紹介するDIYでは、ビス留や溶接ではなく、ロープワークメインで加工を進めます。滑りやすい物にロープを巻き付ける方法を使用しますので、例えば「タープポールからタープポールへロープを渡して、洗濯物干しを現地で作る」といったシーンなどでも応用が利きます。

環境へのローダメージ化

ご自宅にある物の使用、もしくはキャンプ場で採取した物を使うので、ゴミを増やさないしリサイクルにもなったりします。また、使用後自然に戻してあげることで地球へのローインパクトを考えることが出来ます。

作成前に準備するものは?

まずは準備したものをご紹介します。筆者のJackが用意したものはこちらです。

・園芸用の焼磨杭
・園芸用麻ロープ10m(支柱の長さの10倍程度の長さがあれば十分です)
・550パラコード・山に落ちていたのを拾ってきたエゾシカの角です。

チョイスの理由
・焼磨杭は表面を炭化させてあるので腐りにくくアウトドア向きである。また、表面の炭化により燃え辛い。
・麻ロープは滑りやすい物に縛り付ける時に摩擦力が強いのでグリップが効く。また、焚き火の火種として使える。
・550パラコードは550lbsつまり約205kgに耐えられるため、重い物をぶら下げる時に安心できる。
以上です。

支柱は十分な重量に耐えることのできるものでしたらなんでも良いと思います。例えば100円均一の組み立て式ラックの脚や、ホームセンターで売っている太めの鉄筋でもいいと思います。シカ角は調理器具を吊り下げるために用意した物ですので、鉤状の物を用意すれば応用が出来ます。全てを鉄筋で作るのもワイルド感がでますね。
今回はこちらの材料でブッシュクラフト風に仕上げてみましょう。

作成手順

まずは本体を作っていきましょう。

本体を作る流れ

支柱の内の一本に巻き結び(クローブヒッチ)でロープを巻き付ける

滑りやすい材質の場合は、筆者のようにダブルクローブヒッチで結んだほうが安心です。

最初にロープを結び付けた支柱を真ん中に配置し、3本の支柱を編むようにロープを通していく

支柱の太さの2倍くらいの厚みになるまで、しっかりと締めながら通していきます。

縦割りする

支柱の太さの2倍程度まで編み込んだら、次に3本の支柱を分けるように2~3巻きずつ縦に割るようにロープを巻いていきます。

端部処理

最後に端部を中央の支柱にもう一度クローブヒッチで巻き付けてトライポッド本体は完成です。余った麻ロープは切らずに、炎に接しない位置でまとめて置くと必要分を切り出して、ほぐして焚き火の火種として使用することが出来ます。3本の脚を均等に開いて地面に水平になるように刺し込めば設置完了です。

ハンガーを作る流れ

あらかじめ穴をあけて置いた角に、パラコードを電車結びで結んでいきます。この結び方は釣り針とテグス糸を巻き付けるための結び方でかなりの強度が出ます。
今回はシカの角で滑りやすく、先が細く抜けやすくなっているので、穴を開けて端部処理できるようにしています。材質によっては必要無いでしょう。
端部処理をしてフックの先端部分は完成です。

次にフックと反対側のロープの端を、トライポッドの上部の幅より長くて丈夫な棒にダブルクローブヒッチで固定します。
この棒に巻き取るロープの量で火力調整を行います。
トライポッドの上部に載せて完成です。

火力調整の例

強火にしたい時

弱火、もしくは保温状態にしたい時

まとめ

ホームセンターで購入できるもの、ご自宅にある物、キャンプ場で採取した物を使ってトライポッドの自作が出来ることをご紹介させていただきました。
既製品はメーカーの保証があり、耐加重なども試験済みですので安心です。しかし、自作のキャンプアイテムとはやはり愛着が湧くものです。実際に使用しなくても一度作ってみることで、ロープワークも学べますし、何かあったときに助かるかもしれません。焚き火調理ではなくても、ランタンハンガーやご自宅の庭先で鉢植えを吊るしてもお洒落かもしれません。ぜひ一度トライしてみて下さい。

注意事項

あくまでもDIY作品ですので、耐荷重などの試験は行っておりません。また材質、焚き火台の形状によってはトライポッドに焚き火の火が延焼する可能性もあります。お手持ちのギアとご相談の上でトライポッドの材質を決めていただき、焚き火の側には必ず消火用の水を用意して自己責任でお楽しみ下さい。

こばやんのロープワーク講座

【もやい結び】

【とっくり結び】

【二重八の字結び】

【スカンジナビアンヒッチ(シベリアンヒッチ)】

【完全結び(漁師結び)】

【トラッカーズヒッチ】

【自在結び3パターン】
自在結び1
自在結び2
自在結び3

【フィッシャーマンズノット】

パラコードやロープアレンジのコラム

キャンプで活躍するパラコードの編み方・アレンジ術

トライポッドのDIY 木とロープでのDIY実践&応用術

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この記事を書いた人 Jack

キャンプ場から出社することもある程のキャンプ好き。コンパクトなキャンプを目指すバックパックキャンパーです。

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