【焚き火】必要な道具や組み方、準備片付け、マナー全てのテクニック紹介!

投稿日:2021年4月15日 | 最終更新日:2024年7月19日

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こんにちは。焚き火大好きライターのみうです。
焚き火タイムを楽しむためにキャンプに行っていると言っても過言ではないほど、焚き火にハマっています。

焚き火の炎を眺めながらお喋りを楽しんだり、美味しいご飯を食べるのは最高の時間。今回は組み木や焚きつけ方法など焚き火の基本やマナー、道具などの紹介をしていきます!

焚き火と薪の組み方の基礎

焚き火と薪の組み方の基礎

焚き火を楽しむには「熱」「酸素」「燃やすもの(=薪、小枝など)」の3つを揃えて炎を安定させる必要があり、以下の手順を踏んで火を熾します。

薪、小枝など

1. 落ち葉や小枝、松ぼっくりなど燃えやすい物を焚き付けに使い、薪の着火温度を超えるまで「熱」を与える。

2. 薪は着火温度を越えるまで熱せられると炎が上がるので、燃えやすい細い薪から太い薪に炎が移るように薪を組んでいく。

3. 薪を組むときは、「燃やすもの(=薪)」に「酸素」が行き渡るように薪と薪の間に隙間を空けながら組み上げる。

焚きつけのシーン

このように、焚き火を熾すには「熱」と「酸素」が重要。「熱」がないと焚き火の炎は安定しません。
勢いが良い焚き火でも太い薪を1本取り除くと、火力が衰え消えてしまいます。また、冬キャンプなど気温の低い日は薪を熱するのに時間がかかるため、大量の焚き付けが必要になる場合が多いです。
湿った薪は火付きが悪いため、焚き火ではよく乾いた薪を使いましょう。

煙突効果のメカニズム

また、「酸素」を送り込むことが重要であり、焚き火では煙突効果(※)を利用して薪に効率よく酸素を送り込むことが多いです。
焚き火の熱を逃さないように薪を隙間なく組んでしまうと、今度は酸素が行き渡らなくなって火が消えてしまうので注意しましょう。
熱を逃さずに酸素を送り込める薪の組み方は主に4種類。基本を押さえておきましょう。

(※)煙突効果:筒の内部の空気が外気より高温の場合、筒の下方部から空気が引き入れられて上部から暖かな空気が排出される。高温の空気は低温の空気より密度が低いために上昇気流が起きるため、この効果が得られる。空気の流れができるので、焚き火に必要な酸素を薪に送り込むことができる。

①井桁型(いげたがた)

井桁型(いげたがた)

矢倉型(やぐらがた)ともよばれる組み方で、井戸の枠や矢倉のように薪を正方形、もしくは三角形に置き、内部に焚き付け用の細い枝や落ち葉、新聞紙を仕込んでおきます。
矢倉型は煙突の形に近く、上昇気流が起こりやすくなっています。そのため勢いよく火が上がりやすく、キャンプファイヤーなどでも採用されることが多いです。
デメリットとしては火力のコントロールが難しく、すぐに燃え尽きてしまうので調理には向きません。
焚き火の終盤にこの井桁型に組み直すことで、薪を短時間で燃やし尽くすことができます。

②並列型

並列型

枕木となる太い薪の上に、並列もしくは放射状になるよう薪を低く並べた組み方。
薪の下側から空気が入り込み、薪が重なっている高い部分へ空気が流れるため、炎が安定します。
枕木の上に置く薪の太さや量を調整することで簡単に火力調整することができます。
また、「枕木の近くが高温」「枕木から離れるほど低温になる」という特徴があるため、調理向きの組み方になります。
並列型の焚き火で調理する際、強火であれば枕木の近く、弱火であれば枕木から離れた場所に鍋を置くと良いでしょう。

③閉じ傘型

閉じ傘型

薪を円錐状に組み上げる方法で、焚き火と言えばこの組み方を想像する人が多いかもしれません。
薪の下側に大量の焚き付けを準備しておきます。
井桁型と同じく煙突の形に似ており、上昇気流が発生しやすくなっています。
燃焼効率が良いため、一度火がつくと勢い炎が上がります。燃えていくにつれて薪が崩れやすくなるため、風などに注意が必要。組む際は太い薪を使うと良いでしょう。
燃焼時間は短めで、井桁型と同じく調理には不向きです。

④開き傘型

開き傘型

インディアン型とも呼ばれる、小さい火をじっくりと育てる組み方です。
焚き付けを中央に仕込み、薪の中心から外側に炎が移るように燃える開き傘型。薪を低く、高さを均一にしながら組むため、焚き火の上に鍋が置きやすいので調理向き。煮込み料理をするのに向いています。
時間が経過するにつれ、炎とともに薪の重心が外側に移るため、焚き火台から薪が落ちないように位置を調整する必要があります。

焚き火に必要な道具とスムーズな着火方法

焚き火を楽しむためには薪だけでなく、焚き火台や火箸、ナイフなどの道具が必要になります。
また、スムーズに着火するためには火を熾すアイテムも必要。ここでは焚き火に必要な道具や着火方法について紹介します。

焚き火に必要な道具

①焚き火台

焚火台 スノーピーク

ほとんどのキャンプ場が火災防止や芝生・土壌保護のために直火を禁止しているため、焚き火台は必須アイテムとなります。
各アウトドアメーカーが幅広い商品を提供してくれているので、自分に合った焚き火台を購入し焚き火タイムに備えましょう。

私はスノーピークの焚き火台Sを愛用。(別記事で紹介しています:https://www.takibi-reservation.style/media/gear/bonfire/49136/
焚き火台と網を併用すればクッカーや鍋を安定して置けるため、調理がしやすいという利点もありますよ。

②火箸・グローブ

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薪の位置を調整したり、新しく薪をくべるためには火箸やグローブが必要です。耐火性のない軍手などを使用すると、焚き火の熱が直接手に伝わって火傷する恐れがあるので、焚き火用のグローブを選びましょう。

③ナイフ・斧

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前述の通り、焚き火は細い薪から太い薪に火を伝えて炎を安定させるため、市販の薪は太すぎるのでナイフや斧で細くする必要があります。

ナイフで薪を割る方法を「バトニング」と呼び、斧に比べて持ち運びやすいものの、太すぎる薪を切れないことがあるので要注意です。

バトニングや木を削ったり加工したい場合は刃厚があるものや、頑丈なフルタングナイフを選ぶと良いでしょう。

④火消し壺

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燃え残りの炭や薪を消火したり、持ち帰るのに使うアイテム。焚き火に必要な酸素を遮断することで安全に消火できます。使い方は後述します。

⑤火吹き棒、うちわ

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火の勢いが弱まったり、強めたいときに必要な道具です。
うちわであおいで空気を送り込むときは灰や火の粉が飛び散らないように気をつけ、火吹き棒を使う場合は息を吸い込まないように注意しましょう。

火を点けるためのアイテム

焚き火で最初に火を点けるためのアイテムを紹介します。
簡単につけられるものから、コツが必要なものまで…。
手軽さと楽しさをのバランスをとって、自分に合うものを選びましょう。

①マッチ、ライター

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「火を点ける」というとまず想像するのがマッチやライター。安価に購入でき、手軽に使うことができます。

ライターもいろんな種類が売られているので、デザインや値段を見ながらお気に入りのモノを探してみてください。

また、ライターが最も手軽ですが、遊び心を求めてマッチを使うなんて選択をする人も。
私もマッチを愛用していますが、屋外で放置してしまうと湿気て使えなくなるので要注意。
「防水で風にも強いマッチ」というアウトドア向けのものもあります。

②ファイアースターター

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元々はサバイバル用品として用いられている発火器具。
マグネシウムの塊と金属の刃の組み合わせで、マグネシウムに刃を強く打ちつけて火花を発生させて火を付けます。
火を点けるのにはコツがあり、最初は手間取るかもしれませんが、この大変さやサバイバル感を楽しむために愛用している人も多く、私も時間に余裕がある時は使っています。

③ガスバーナー

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専用のガス缶にノズルを取り付け、先端から瞬間的に高温の炎を噴出させる道具。
焚き火やバーベキューでの火熾し、炙り料理など幅広く使われています。
手軽に長い時間高温の火を噴出できるので、焚き火の火熾しでは一番簡単に着火できます。

逆さ使用に対応していないガスバーナーを下向きにして使用すると、ガス漏れや異常燃焼、不完全燃焼が起き火災や火傷を負う危険があるので注意してください。
また、ガス缶を火の近くに置くと爆発することがあるので簡単に着火できる反面、取扱は厳重に注意する必要があります。

着火剤の役割を果たすアイテム

焚き火を熾すには焚き付けに燃えやすい着火剤を使い、小枝、細い薪、太い薪へ火を伝えていきます。ここでは着火剤の役割を果たすアイテムをいくつか紹介します。

①松の葉、まつぼっくり

松の葉、まつぼっくり
出典:PIXTA

人気キャンプアニメ「ゆるキャン△」でも度々使われる松の葉やまつぼっくり。
松脂(まつやに)を含み、燃えやすい形状のため天然の着火剤としてよく利用されます。
地面から拾ってすぐの状態だと湿っていて中々火がつかないことが多いので、よく乾かして使いましょう。

私はキャンプ場に落ちているまつぼっくりを一旦家に持ち帰り、よーく乾燥させてから次のキャンプで使っています。

②着火剤

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市販の着火剤は油を染み込ませているので、マッチ1本でも簡単に火が点きます。
お手軽なので、冬キャンプでパパッと簡単に火を熾したいときにおすすめ。
乾燥に弱いので、使う直前まで封を開けないように気をつけましょう。

固形のものやジェル状のものなど様々なタイプがあるので、自分にとって使いやすい着火剤を探すのもまた楽しいですよ。

③麻ひも、新聞紙、ティッシュ

前述したファイヤースターターでも簡単に火がつく着火剤が、麻ひも・新聞紙・ティッシュです。
簡単に火が点きますが、すぐに燃えきってしまうのが難点。
火が点いたらすぐに火箸などを使って、まつぼっくりや小枝などの焚き付けの下に移動させましょう。

ファイアースターターを使って麻ひもに火を点けるシーン
出典:PIXTA

麻ひもを焚き付けに使う場合、適量をとってよく解して繊維状にしておくとさらに火がつきやすくなります。

④チャコールスターター

チャコールスターター

前述の通り、酸素の通りを良くすることを意識し、薪を組むことが焚き火を熾すのに重要なポイント。
しかし、チャコールスターターを使えば簡単火を熾すことができます。
詰めすぎないように立てて炭や薪を適当に入れ、チャコールスターターの下に着火剤を仕込めばOK。
放置しておくだけで簡単に火熾しができる便利アイテムです。

焚き火の消し方と片付け方

楽しい焚き火タイムも火災のリスクと隣り合わせ。ここでは確実に焚き火を消火する方法と、撤収時に片付ける方法を紹介します。

焚き火の消し方

焚き火の消し方

長時間焚き火をしていると、すっかり薪が燃えて細かな炭になり、少し火が残った状態で赤くチカチカ揺らめいてきます。この状態を熾火(おきび)と呼び、ついつい就寝時にこのまま放置してしまいがちです。
しかしこの熾火、約1000度と高温になっており、完全に消火するまで1時間程度時間がかかり、完全に消火しないで放置するとふとしたキッカケで炎が再燃することがあります。

例えば焚き火の周りに燃えやすいものがあり、風が吹いて「酸素」が供給されて落ち葉(=「燃えるもの」)がとんでくると火がつき、周りのものを燃やして火災になるリスクも。
熾火だからといって安心せず、確実に消火しましょう。

前述した通り、熾火は高温なので水をかけてもすぐに蒸発して炭が爆ぜてしまいます。
高温の焚き火台に急激に水をかけると金属が脆くなって割れてしまったり、爆ぜた水蒸気が体にかかって火傷する恐れがあるので「完全に消火していない焚き火に水をかける」行為は危険です。

なので、完全に消火する前に火を消したい場合は、火消し壺を使います。

火消し壺に消火した炭を入れる

火消し壺に燃え残りの炭や薪を入れ、蓋を閉めて「酸素」を遮断してしまえば短時間で消化することができ、また再燃の心配もなくなります。

翌朝、もう一度焚き火を熾す際に薪や炭を再利用することも可能。
火消し壺に炭や薪を入れた直後は、壺も高温になるので触って火傷しないように十分注意しましょう。

片付ける場合は完全に消火した状態で水をかけ、熱を奪っておきましょう。

片付け方

キャンプ場を撤収する場合はまず、前述の通り焚き火を消した後に片付けをする必要があります。

キャンプ場に灰・炭捨て場がある場合は完全に消した炭や薪を捨て、ない場合はそのまま火消し壺に入れて持ち帰り、住んでいる自治体のごみ分別のルールに従って廃棄します。
火消し壺があると消火が簡単にできるだけでなく、そのまま車に積んで持ち帰れるので非常に便利。車キャンパーの方は購入しておくことをお勧めします。

バイクや自転車キャンパー、徒歩キャンパーの場合は大きな火消し壺を持ち歩くのが大変だと思うので、アルミホイルで代用するのも一つの手です。
二重にしたアルミホイルに炭や灰をのせて水をかけて完全に消火させ(熾火状態の場合は爆ぜるので十分注意)。
そのままアルミホイルで包んでビニール袋に入れて持ち帰ると消火と片付けが簡単にできちゃいます。

また、焚き火台の周りに炭や灰が飛ぶことがあります。その場合はスコップや火箸を使って完全に片付けて持ち帰るか、ゴミ捨て場に捨てるのがキャンパーのルール。
直火エリアには炭や灰を残さないようにしましょう。

焚き火を楽しむ際の注意とマナー

キャンプブームとともに楽しまれている焚き火タイム。
1人でじっと火を眺めたり、仲間とワイワイ談笑したりと楽しめる一方、キャンプ場でトラブルや火災のリスクがあるのも事実です。
最近では「焚き逃げ」という言葉がSNSを騒がせつつあります。

ここでは焚き火をする場合のマナーをいくつか紹介します。

焚き火エリアの確認

芝生は直火禁止
出典:PIXTA

キャンプ場の多くは火災防止や芝生の保護、熱による土壌負荷の保護を目的に直火を禁止しています。
キャンプをする前に、直火の可否を確認しておきましょう。
芝生サイトで焚き火をする場合は、焚き火台の下に耐火シートを敷き、熱を芝生に伝えないことも重要。
事前に焚き火するエリアの状態を確認し、必要な装備を持ち込みましょう。

消灯時間の確認

周りのキャンパーが就寝しているにも関わらず、大きな火で付近を照らして大きな声をあげると迷惑になります。
夜は火の勢いを落として小さな声で話すようにしましょう。
キャンプ場によっては消灯時間が定められていることもあるので、要チェック。
また、消灯時間後の焚き火を禁止している場所もあるので、事前に十分な下調べを。

火災予防

キャンプ場で焚き火による火災が報告されることが、しばしばあります。
火災を起こさないために、就寝時やキャンプサイトから離れる際は焚き火の消火を確実に行いましょう。
焚き火はテントやタープから十分距離がある場所で火を熾し、周りにガス缶や灯油缶、薪など燃えやすいものを置くのは避けましょう。

また、落ち葉があると焚き火から爆ぜた火の粉が引火して燃え広がることも。
サイト内に落ち葉が大量にある場合、事前に掃くなどして落ち葉を除去するか落ち葉のないエリアを探す、もしくは焚き火を起こさないなどの判断が必要になります。

「焚き逃げ」とは? 

最近SNSで騒がれている「焚き逃げ」という言葉。
キャンプをした後、灰や炭、薪を放置して撤収することを指します。
炭は炭素と呼ばれる元素で、それ以上分解しない物質です。
なので放置しても自然に還ることはなく、そのまま残り続けてしまいます。

農業で炭を使って土壌改良することもありますが、無計画にばらまいた炭は逆に土壌汚染をする恐れがあります。
焚き火を行う以上、スコップや火箸、火消し壺(もしくは代替のアルミホイル)で完全に炭や薪を回収し、適切に処理をする方法や道具を揃えておくなどの心がけが大切です。

キャンプの醍醐味、焚き火

焚き火の様子

焚き火のマナーが悪くなると、周りのキャンパーや次にキャンプする方が不快な思いをするだけでなく、火災の原因になることもあります。
そうなると焚き火を禁止せざるを得ないキャンプ場が出てくるかもしれません。

焚き火タイムを楽しむということは、責任を持って焚き火を片付け、マナーを守る義務があるということ。
みんなで楽しく、焚き火を楽しめるようにマナーを守ってキャンプを楽しみましょう。

夜の焚き火
出典:PIXTA

キャンプの醍醐味である焚き火。
ゆらゆら眺める火を眺めているだけで落ち着きますし、仲間と火を囲みながら談笑する時間も格別。

途中で火が消えてしまっても、笑いながら薪の組み方を議論をしながら薪を追加したり、「しょうがないなぁ」と言いながら火吹き棒で空気を送り込んだりと、ちょっとした失敗も楽しみながら経験できます。

自分だけでなく自然や他のキャンパーにも気を遣いながら、マナーを守って安全に焚き火を楽しみましょう!

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この記事を書いた人 みう

愛車ジムニーで山に行き、登山やキャンプを楽しんでます。

最近は古道具をキャンプに持ち込むスタイルがお気に入り。

資格 SAJ2級

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