地震、台風、豪雨、毎年のように大規模な自然災害が起こる日本列島。時にはその被害によって電気や水道などのインフラが遮断され、避難所での不自由な避難生活を余儀なくされることも珍しいことではなくなってきました。
非常時の備えとして、防災用品の準備を必要としている方も多いですね。
キャンプ用品には、防災グッズとして活用できるものが多いことをご存知でしょうか?
また、それを使うアウトドアでの経験は、非常時にはとても役立ってくれます。
この記事では、どんな時にどんなキャンプ用品が活用できるのかをご紹介致します。
テント

非常時の防災グッズとして、テントも大いに活用できます。
避難所に行くのだから、テントは必要ないのでは?かさばるテントは本当に必要?と疑問に感じられる方も多いですよね。
確かに大きなファミリータイプのテントだと、持ち運びは手軽とは言えないかもしれません。
しかし、2020年の豪雨の際は、感染症対策もあり避難所の定員が少なく、避難所に入れなかったというニュースも報道され、話題になりました。
また、ペットと暮らしているご家庭だと、なかなか同行できる避難所も少ないようです。
そこで、簡易的な避難所として小さなテントでも一つあれば、着替えの際等にも臨機応変に対応できますよ。
簡単に設営できるケシュアのポップアップテントは、気軽に利用できおススメです。
シュラフ

シュラフ(寝袋)は、防災用品として活用して頂きたいグッズです。
避難所であれば、人が一時的に集中し、布団が足りなくなるというケースも考えられます。
夏場はまだいいのですが、冬場は貸出の布団だけでは寒さで眠れない、なんてこともあり得ますよね。
そんな時に寝袋があるというだけで少し心強いものです。
キャンプ用の寝袋であれば、布団のようにかさばらずにコンパクトに収納でき、限られたスペースも有効に利用できます。
ただでさえ、何かと気苦労の多い避難生活は睡眠が大事です。ぐっすり眠って体力を回復させましょう。
寝袋は、快適温度(温かく快適に眠れる温度域)や限界温度(工夫次第で眠れるが、おススメはできない温度域)を確認し、3シーズン(冬以外)の寝袋より、冬用のものを選んでおく方がいざという時も安心です。
また、小さなお子さんがいる家庭には、少し収納サイズが大きくなりますが、一緒に眠れる封筒型の寝袋の方がお子さんも安心できておススメですよ。
マット

マットは避難所など屋内に避難する際にも使ってほしいキャンプ用品です。
避難所が設置されるのは、床張りの体育館等が多いですね。
また、場合によっては、人が多くて入りきれず、廊下などで過ごしている報道も目にします。
マットがあれば、固い床にひいてシート代わりに使う事もできますし、寝袋を使う際にも下に引いておくと快適さがアップします。
厚手のものなら地面からの冷気を遮ることができるので、寒さ対策にもなりますよ。
避難所はスペースも限られる為、簡単に折り畳みができるキャンプマットは、軽くコンパクトに収納できるところも使い勝手がいいですよね。
ランタン

防災の備えとして、LEDランタンは備えておくことを強くお勧めします。
LEDランタンはモバイルバッテリーや、電池で燃料を備えておけ、また灯り自体も明るく、長時間の使用も可能です。
また火を使わないため、火災などの心配もなく、安全に使うことができます。
小さな子供であってもスイッチ一つでつけたり消したりできる点は、何よりも利点ですよね。
防災用品として活用を考えるのであれば、携帯の充電もできるUSBポートも備えた実用的なLEDランタンなどもおすすめです。

また、おしゃれなデザインのLEDランタンは普段から部屋に置いて使用し、充電が切れた場合の方法も併せて、お子様と一緒に使い慣れておくのもいいですね。
バーナー

シングルバーナーは、リュックに準備しておきたいキャンプアイテムの一つです。
風防式のガスコンロでももちろんいいのですが、シングルバーナーだと折りたためば手のひらサイズに収まるので、手軽に携帯できます。
避難時に温かい飲み物を取りたいとき、又はレトルト食品を温めたい時など、必要な時に取り出して使用後はコンパクトにしまえるところもいいですね。
災害時の為に燃料をあらかじめ買い置きができるところもおすすめの理由の一つです。カセットボンベ1本あれば約60分使用することができので、必要に応じて備蓄しておきたいですね。
カセットガスの種類に注意!
カセットガスにはCB缶とOD缶の2種類あります。それぞれのメリット・デメリットも知った上で準備しましょう。
CB缶
CB缶はスーパーやコンビニでも販売されていて、手に入りやすいガスボンベです。
しかしながら、低温下では火が付かないという欠点があります。
OD缶
OD缶は低温下でも点火できるガスボンベです。
しかし、コンビニやスーパーでは取り扱っていないことが多く、いざ購入しようとしてもすぐに手に入らない可能性が高いのがデメリットです。
東北や北海道などの寒冷地にお住まいの方は、OD缶対応のバーナーを用意しておいた方が「いざという時」役に立つでしょう。
気温に左右されないアルコールストーブもおすすめ

アルコールストーブも余裕があれば、バーナーと合わせて準備しておきたいアイテムです。
アルコールストーブとは、アルコールを燃料に使用するコンロです。
バーナーよりも、燃料や本体をよりコンパクトに持ち運ぶことができます。

その一方で、火力はバーナーに比べて弱く、燃費も良くないというデメリットもあります。
また燃焼用アルコールは、誤飲すると失明の恐れがある劇薬です。
小さなお子さんがいる家庭では、収納場所や取扱に注意が必要な物でもあります。
そんな風に聞くと、「なんだか怖そう。バーナーがあれば十分じゃないの?」と、思われる方も多いですよね。
私自身もそう思っていました。

しかしながら、先程バーナーの際にもお伝えしたように、バーナーの場合、低温下では火が付かないことがあります。
その点、アルコールストーブは低温下でも使用が可能です。
また、構造もシンプルなので故障しにくい、という利点もあります。
非常時というのは季節を問わず訪れますので、寒い冬も対応できるよう、予備的な熱源として持っておくと、心強いアイテムですね。
食器

避難所に移動する際にも持っていきたいのが、キャンプやアウトドアでも使用する食器類です。
被災時は断水などにより、使用済みの食器を洗うこともままならない状況も考えられますね。
紙皿を準備している方も多いですが、避難生活が長引いた場合、足りなくなる可能性も考えられます。

そんな時、軽くて割れないアウトドア用の食器なら、スタッキングしてコンパクトに持ち運ぶことができますよ。
また、ラップやアルミホイルも合わせて準備しておけば、食器にかぶせて使用することで、洗い物を減らすこともできます。
水が手に入らない時のことも考えておきましょう。
クッカー

キャンプやアウトドア用に作られた調理器具は、非常時の持ち出しに適しています。
キャンプ用のクッカーは、大きい物の中に小さいクッカーを入れ、コンパクトに収納する入れ子式になっているものが多いですね。
クッカーはアルミやステンレス、チタンなどの軽い材質で作られているものが多く、携帯するにも便利です。

避難生活でよく聞かれるのが、「温かいものが食べたい」という声です。
特に寒い時期などは、普段でも温かいスープを口にするだけでもほっこりしますよね。
クッカーを用意しておけば水やスープなどを温めることができ、蓋つきであればお米を炊くこともできます。
非常時にお湯を沸かせるというだけで、カップラーメンやパスタやフリーズドライ食品など、調理の選択肢が広がります。
また、キャンプでお米を炊いたり、パスタを茹でたりと調理の経験をしておくことは、非常時の知恵の備蓄となりそうですね。
クーラーボックス

クーラーボックスは停電の際、冷蔵庫の食品を保存できます。
大規模災害時には1、2週間分の食料の備蓄が必要と言われており、冷蔵庫の食料を、最初の数日でも活用できるとあれば、非常に助かりますね。
ビニール袋に入れた冷凍庫の氷などをクーラーボックスで保管すれば、保冷力を高めることができるだけでなく、氷が溶けてしまえば貴重な飲料水として利用も可能です。
使用機会の少ない大きなクーラーボックスは、家の中で意外と場所を取る存在でもありますね。
有効活用するためにも、普段からクーラーボックスの中に乾物やインスタント食品などの非常用食料を備蓄しておく、というのはどうでしょうか?
キャンプの際には、保管した食料を使ってローリングストックしていくのも、非常時の備えの一つとなりますね。
アウトドアナイフ
アウトドアナイフには様々な種類、形のものがありますが、防災グッズとしておすすめしたいのは、十徳ナイフとフォールディングナイフです。
十徳ナイフとは、様々な用途に使える多機能ナイフです。
1本で、ハサミや缶切り、爪切りやドライバーなどがセットになっています。
特に衛生用品でもある爪切りなどは、避難時には意外に忘れてしまいがちですし、他人の物を借りるには抵抗があったりしますよね。
そんな時にひとつで様々な役目を果たす十徳ナイフがあれば、何かと便利です。
フォールディングナイフは、刃の部分を折り畳んで収納するタイプのナイフです。

構造上、簡単に刃の部分が露出しないため、持ち運びの際も不安が少ないですね。
果物を向いたりする際にもあると便利です。
十徳ナイフだけでは、少し心許ないという方は、こちらも併せてリュックにいれておきましょう。
まとめ

外で過ごすアウトドアやキャンプの為に作られた製品は、不便の多い自然環境下において、どう快適に過ごすかを考えられて作られています。
その性能や製品設計は、過酷な自然の中で快適に過ごすための知恵と工夫の集積であるとも言えます。
また、キャンプやアウトドアの中で培った経験も、非常時に自分自身や周りの人を勇気づけるひとつの力にしていけたらいいですね。
あなたの持っているアウトドアギアを見直し、防災グッズとして利用できるものは持ち出しやすいところに置いておきましょう。