投稿日:2021年1月23日 | 最終更新日:2021年8月18日
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キャンプ場での楽しみかたは人それぞれあると思いますが、食事の時間が重要ではありませんか?
「カップラーメンもキャンプ場で食べると美味しく感じる」なんて話もよく聞きますが、今回はそんな食事の時間をランクアップできるダッチオーブンの使い方をご紹介したいと思います。
「ダッチオーブンって重くて、扱いが不便なんじゃないの?」と思っているかもしれませんが、ちゃんと知ると万能な鍋だと認識が変わると思うので、鋳鉄製のダッチオーブンについてまとめてみました。
ダッチオーブンとは
分厚い金属性の蓋つき鍋のことを指します。
蓋の周囲が縁取られているので、蓋の上に炭火を乗せる事で、上下から同時に熱を加える事ができます。
分厚い鋳鉄でできているので、蓄熱性が高く熱を逃がさないため、食材にじっくりと火を通せて旨味を閉じ込めてくれます。
中で熱せられた蒸気が外へ逃げようとするときに、本体と蓋のわずかな隙間を水蒸気による水分が防ぐ事で密閉性が高まり、圧力鍋のような調理も可能にします。
密閉性、蓄熱性、保温性が高いことで、食材に含まれる水分のみで調理する無水調理を行うこともできます。
これ1台で「焼く、炒める、煮る、蒸す、揚げる、燻す」などのいろいろな調理方法が出来てしまう優れた鍋です。
注意点は、料理を作ったあとに火を止めて、食べるまで少し時間がある場合など、ダッチオーブンの中に料理を入れたままにしないこと。
そのまま置いているとサビの原因になります。
ダッチオーブンの使い始めはシーズニングが必要
新品のダッチオーブンは出荷時にサビ止めの工業用ワックスが塗られているため、そのまま使うことはできません。
使う前にワックスを取り除き、鍋の表面を油でなじませて焦げやサビを防止する必要があり、その作業の事を「シーズニング」といいます。
もし、シーズニングをしないまま調理をしたら、ワックスの匂いで食べられなくなってしまう上、ダッチオーブン表面の細かな凹凸の隙間に食材の水分などが入り込んでしまい、焦げ付きやすくなります。
そのため最初に行うシーズニングでワックスを取り除き、表面を食用油の膜でコーティングすることで適切に継続使用できるようになるのです。
シーズニングの手順
シーズニングのやり方をしっかりとマスターしておくことで大切なギアを長く愛用できますよ。
1.洗剤とお湯でワックスを落とす
ダッチオーブンに水を入れて火にかけて沸騰させます。
沸騰後、人肌くらいまで温度が下がったら、お湯を捨てて食器洗い用の洗剤と植物繊維のたわしを使い全体をごしごしとしっかり洗い、お湯で洗剤を洗い流します。
※ダッチオーブンの温度が下がらない状態で水をかけると破損の恐れがあります。
2.乾燥させる
タオルなどで水気をとった後に自然乾燥させるか、弱火にかけて加熱して乾燥させます。
完全に乾燥させてから次の工程に入ります。
※ここで水分が残っているとサビの原因になるのでしっかり乾燥させます。
3.油のコーティングをつくる
塩分の入っていないオリーブオイルやサラダ油を、布やキッチンペーパーなどで薄くのばし、本体の内側も外側も蓋も含め満遍なく塗り付ける。
余分な油は焦げの原因になるので、吸い取とるようにしましょう。
※油を伸ばすとき、鋳鉄のダッチオーブンは表面の細かい凹凸が多く、キッチンペーパーだと削れてカスがでてしまうので布がおすすめです。
4.ダッチオーブンを空焚きする
油を塗ったら、中火で空焚きをします。煙が出てきたら弱火にして煙が出なくなるまで焼きます。
※屋内で空焚きする場合は換気に注意をして作業します。
油を塗って〜空焚きする、の作業を4回ほど繰り返します。
こうすることで、鋳鉄の表面の細かな凹凸が油の膜でふさがり、焦げ付きにくくなります。
5.野菜くずを炒める
鉄臭さを取り除くために、ニラ、生姜、ネギ、ニンニク、香草など香りの強い野菜を炒めます。
炒めた野菜は食べずに捨てます。
6.油を塗る
火からおろし、野菜くずを捨てたら、熱いうちに油を薄く塗ります。
外側も底も蓋も忘れずに塗り、自然に熱を冷ませば終わりです。
ダッチオーブンの基本の使い方
ダッチオーブンを知れば知るほど本当にたくさんの使い方があります。基本の使い方を知ることでキャンプに持っていくギアを少なくすることも可能ですよ。
フライパンのように「焼く」
しっかりとダッチオーブンを熱してから焼くと温度が下がらず、お肉なども美味しく焼き上げられます。
蓋部分をフライパンのように使用することが出来るので、本体と蓋で別々の料理を調理することもできます。
上下からの熱源で「オーブン」のように
ダッチオーブンは蓋の上に炭を置くことで、オーブンのように活用することもができます。
ダッチオーブンの蓄熱性や保温性でムラなく熱が回り、パンも美味しく焼くことが出来ます。
他にもローストビーフやローストチキンなど素材の味を生かす料理もダッチオーブンで美味しく作れます。
炒める
ダッチオーブンでチャーハンや麻婆豆腐のような炒め物も作ることが可能です。
キーマカレーのように炒めて煮る、といった料理にも向いていますね。
煮る
煮込み料理は、ダッチオーブンの力が発揮される料理です。
保温性が高いため、おでんや鍋料理を最後まで熱々で美味しく食べることができます。
また、蓋をすることで圧力がかかり、ビーフシチューなどの肉を煮込む料理は肉質が柔らかくなりますし、食材に味がしみ込んでとても美味しく作ることができます。
蒸す
ダッチオーブンで温野菜をつくる場合、食材から出てくる水分だけで調理することが可能です。野菜本来の味がよくわかります。
根菜などはすごく甘味が感じられて、ホクホクとした食感も楽しめますよ。
揚げる
ダッチオーブンは蓄熱性が高いため、安定した温度をキープすることができます。そのため、揚げ物にも向いています。
燻す
専用の燻製機がなくても、少し工夫をすれば燻製をすることが出来ます。
屋内だと匂いが気になってできないことも、キャンプ場でなら問題ないですし、卵やチーズ、魚に肉と色んな物を燻製して楽しむのもいいですね。
ダッチオーブンのお手入れ方法
ダッチオーブンは使い終わったあとのお手入れがとっても大切です。ここもしっかりと覚えておきましょう。
1.汚れを浮き上がらせる
鍋に残っている汚れを取り除き、お湯をいれます。
お湯が用意できない場合は、ダッチオーブンが冷めてから水を2~3cm入れて火にかけて、お湯を沸かしましょう。
※調理後すぐの熱いダッチオーブンには、絶対に水を入れないでください。温度差で割れてしまいます。
2.汚れを落とす
側面などについた汚れを柔らかいスポンジやヘラでこそげ落とし、ある程度、汚れが落ちたらお湯を捨てて、もう一度お湯をいれて、汚れが落ちるまで繰り返します。
※金属タワシや硬いスポンジ、洗剤は使用しないでください。
3.水気を飛ばす
綺麗に洗ったあとは、ダッチオーブンの本体も蓋も空焚きして、残った水分を完全に飛ばします。
4.油を塗り、再度火にかける
水分が完全に飛んだら、熱い状態のまま、無塩タイプの油を薄く塗っていきます。
油が塗れたら再度火にかけて煙が出て、その煙が落ち着くまで火にかけ続けます。
煙が落ち着いたら火を止めて、自然に冷めるのを待ちましょう。
5.保管方法
冷えたダッチオーブンを収納するには、新聞紙で本体と蓋をそれぞれつつんで保管します。
新聞紙がなく、そのままで収納する場合は本体と蓋を重ねて密閉しないように、割りばしなどを挟んで、保管してください。
ダッチオーブンでキャンプ料理をおいしく作るコツ
さぁ準備は万端です。あとはダッチオーブンを使って美味しい料理をキャンプ場で食べるだけ!ここからは、ダッチオーブンで美味しい料理をたべるためのコツをご紹介します。
下準備をしっかりする
ダッチオーブンで料理をする時は、キャンプ場に行く前に家で下準備をしておくことがうまくいくコツです。
例えば、唐揚や煮込み料理で下味をしっかりつけたい場合などは、ジップロックに食材と調味料をもみ込んで寝かせておく。
パンを焼くときは、現地で発酵させるのは温度管理が難しいうえ、時間もかかるので、材料を捏ねて1次発酵までを自宅で完了させて、生地を冷凍庫で凍らせて、キャンプ当日にクーラーボックスに入れて持って行き、解凍しながら2次発酵などの次の作業に入れるようにする。など、手の込んだ料理をする場合はしっかり下準備をするかどうかで美味しくできるかが決まってきます。
火加減がポイント
料理の内容や食材によって火加減が強火だったり弱火だったりと考えて作らないといけません。
例えば、シチューやカレーなの煮込み料理でソースやルーを加えると焦げやすくなるので、炭を減らしてゆっくり混ぜ続けることが必要になります。
上の写真は、蓋に炭を乗せすぎてパイ生地が焦げてしまいました。
オーブン調理の際は、蓋に食材が付かないよう量を調整したり、鍋底に直接食材が当たらないように底網を利用したりと焦げないように工夫する必要があります。
ダッチオーブンでキャンプ料理を楽しみましょう
現在発売されているダッチオーブンの中にはシーズニングが不要なものであったり、ステンレスで作られているなど、様々なタイプがあります。
その中でも、鋳鉄製のダッチオーブンは大事に使えば一生使い続ける事が出来る代物です。
色んなキャンプ料理に挑戦しながらダッチオーブンを育てていく感覚で楽しんでみてはどうでしょう。